2025/10/30 14:43

1. J.C.ペニー(J.C. Penney)40年代

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J.C.ペニーはアメリカの巨大なデパートメントストアで、そのプライベートブランド(PB)の中でも特にワークウェアラインの「FOREMOST(フォアモスト)」が有名です。

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特徴詳細主要ブランドPENNEY'S FOREMOST大戦モデル(WWII)物資統制(WPB規制)の影響が明確に出ます。<ul><li>リベット/ボタン: コインポケットのリベット省略、ドーナツボタンの使用。</li><li>ステッチ: バックポケットのアーキュエイトステッチが省略(ステッチレス)されるか、簡略化されます。</li><li>スレーキ: ポケットの裏地(スレーキ)に、粗いガーゼ状の生地や別生地が使用されることがあります。</li></ul>シンチバックジャケット、パンツ共に針なし(押さえ式)のシンチバック(尾錠)が付くモデルが多く、クラシックな雰囲気を保っています。製造元表記**「J.C. Penney Co INC.」**表記のタグが使われ始める時期です。


2. モンゴメリーワード(Montgomery Ward)40年代


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モンゴメリーワードもストアブランドの雄であり、ウェスタンウェアラインの「101」と、ヘビーデューティーなワークウェアラインの「Powr House(パワーハウス)」が知られています。

特徴詳細主要ブランドMONTGOMERY WARD 101 / POWR HOUSE101(ウェスタンライン)赤地のパッチにカウボーイのイラストと**丸で囲まれた「101」の文字がデザインされた通称「赤タグ」が使われます。大戦モデル(WWII)<ul><li>ポケット: リーバイスのセカンドモデルに似た2ポケット仕様のデニムジャケットが見られます。1ポケット仕様の大戦ジャケットは極めて希少です。</li><li>ボタン: 月桂樹刻印や、月桂樹+スター刻印のボタンが使われることがあり、これも大戦期ならではの混在ディテールです。</li><li>リベット: Leeでも見られた**「UFOリベット」(突起が低い鉄製リベット)が使用されることがあります。</li></ul>シンチバックデニムジャケットには**針刺し式**のバックルバック(シンチバック)が付くことがあり、1940年代を判別する重要なポイントです(1950年代には針なしまたは廃止へ移行)。


3. フリーランド(Free Land)40年代

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フリーランド・オーバーオール・マニュファクチャリング・カンパニーは、ペンシルベニア州で創業した、現存数が非常に少ない稀少なワークウェアブランドです。

特徴詳細年代設定1940年代頃のモデルは、1920〜30年代のクラシックなディテールを色濃く残しているのが魅力です。ディテール<ul><li>ボタン: 「UNION MADE」刻印入りのドーナツボタンや、黒塗りメタルボタン(ラッカーボタン)が使われます。</li><li>ステッチ: ワークウェアの象徴であるトリプルステッチ(三本針縫製)を多用し、非常に堅牢な作りをしています。</li><li>シルエット: 鉄道員をターゲットにしたスタイリッシュなAラインのコートや、股上が深く、ゆったりとしたシルエットのパンツなど、東海岸の気品を感じさせるモデルが存在します。</li></ul>生地の特徴ロット違いのデニム生地を組み合わせて使用した、ツートンカラーのモデルが存在するなど、資材繰りの工夫や独特なデザインが魅力です。


4. ハノーバー(Hanover)50年代


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ハノーバーは、主に靴(シューズ)で知られるブランドですが、衣料品、特にレザーシューズを主軸とするブランドの衣料品は、上質な素材を使用しているケースが多いです。ワークウェアとしての特筆すべき特徴についての情報が少ないため、一般的な50年代の特徴とブランドの背景から推測します。



これらストアブランドの魅力は、主要ブランドでは見られない独自のディテールや、大戦期の規制を反映した混在した部材にあると言えます。